AIで人類は滅亡する?――答えのない未来について、家族で話してみよう
「AIで人類は滅亡するの?」と聞かれたら、どう答えますか。この記事では、あえて答えを出しません。昔の新しい技術の話をふり返りながら、家族で話すための問いを紹介します。
「AIで人類は滅亡するの?」と聞かれたら
「AIに仕事を取られる」「AIが人間より賢くなったらどうなる?」。最近、こんな話を耳にする機会が増えました。少し怖く感じる方もいるかもしれません。
でも、新しい技術が出てくるたびに、人はいつも「世の中が大きく変わってしまうのでは」と心配してきました。今回は「AIは安全」「AIは危険」と決めつけずに、家族で話すきっかけにしてみましょう。
新しい技術は、いつもちょっと怖がられてきた
たとえば自動車が生まれたころのイギリスでは、1865年の法律で、車は時速6キロほど(町の中では時速3キロほど)でしか走れませんでした。さらに、車の前を、赤い旗を持った人が歩いて知らせることまで決められていました。今から見ると驚きですね。
ただし、「昔の心配は全部ムダだった」というわけではありません。自動車は生活を便利にした一方で、交通事故という新しい問題も生みました。インターネットも、世界中の人とつながれるようになった一方で、詐欺や悪口の書き込み、うその情報という問題を生んでいます。
技術には、よいところと、気をつけたいところの両方があります。大切なのは、両方を知ったうえで「どう使うか」を考えることではないでしょうか。
AIの未来は、専門家にもまだ分からない
AIについても、未来がはっきり分かっている人はいません。
世界中の100人以上の専門家がまとめた「国際AI安全性報告書2026」(2026年2月)では、AIはすでに医療や科学、教育で役に立ち始めていると書かれています。一方で、詐欺などに悪用される問題も起きています。
報告書は、AIが人の手に負えなくなるという心配についても取り上げていますが、「今のAIには、まだそこまでの力はない」とも書いています。つまり、AIで人類が滅亡すると決まっているわけではありません。だからこそ、世界中で安全のためのルール作りが続けられています。
今夜、子どもに聞いてみたい5つの問い
ここで一度記事を閉じて、お子さんに聞いてみてください。「AIが人間より何でもできるようになったら、人間は何をすると思う?」
「遊んで暮らせる!」「新しい仕事ができるかも」。いろいろな答えが返ってくるはずです。こんな問いも面白いでしょう。
- 宿題を全部AIにやってもらうのはアリ?
- AIが作った絵と、人間が描いた絵は同じ?
- AIのお医者さんに診てもらいたい?
- AIが「絶対正しい」と言ったら、信じる?
- 自分より頭のいいAIができたら、どんなルールを作る?
正解はありません。お父さん、お母さんも一緒に答えてみてください。
「分からないね。あなたはどう思う?」
これからの社会では、答えが用意されていない問題がどんどん増えていきます。だから大切なのは、未来を当てることではなく、「本当かな?」「ほかの考え方はないかな?」と、自分で考え続けることなのかもしれません。
お子さんから「結局どっちなの?」と聞かれたら、「分からないね。あなたはどう思う?」と返してみてはいかがでしょうか。大人が思いつかなかった面白い未来を、子どもたちが教えてくれるかもしれません。
出典一覧
- UK Public General Acts "Locomotives Act 1865"(第3条:60ヤード以上前を赤旗を持って歩く、第4条:公道で時速4マイル・市街地等で時速2マイル)
https://www.legislation.gov.uk/ukpga/Vict/28-29/83/pdfs/ukpga_18650083_en.pdf
- International AI Safety Report 2026 – Executive Summary(2026年2月3日。100人超の専門家)
https://internationalaisafetyreport.org/publication/2026-report-executive-summary