COLUMN

コラム

プログラミング

まだまだ捨てたもんじゃない!世界で注目・利用されている日本人が作ったプログラム技術

まだまだ捨てたもんじゃない!世界で注目・利用されている日本人が作ったプログラム技術

ITやAIはアメリカの会社ばかり、と思っていませんか?実は、日本人が作ったプログラムの技術が、世界中で使われています。代表的な5つを、やさしく紹介します。

「ITはアメリカばかり」と思っていませんか?

スマートフォンや生成AIのサービスを見ると、海外の大きな会社ばかりが目立ちます。「日本はITで遅れている」と感じている方も多いのではないでしょうか。

でも、少し裏側をのぞいてみると、日本人が作った技術が、世界中のインターネットや家電、AIの開発を支えています。しかも、昔の話だけではありません。ここ数年で生まれた技術もあります。

世界中で使われる言語「Ruby」と、家電の中で動く「TRON」

「Ruby(ルビー)」は、コンピュータに指示を出すための言葉、つまりプログラミング言語です。作ったのは日本人のまつもとゆきひろさんで、Ruby公式サイトによると1995年に公開されました。人が自然に読み書きしやすいように作られていて、今では世界中の開発者が使っています。

「TRON(トロン)」は、トロンフォーラムによると、坂村健さんを中心に1984年に始まった技術です。活躍しているのは、自動車や家電、工場の機械の「中」に入っている小さなコンピュータです。ふだん目にすることはありませんが、私たちの身の回りの機械の中で、日本生まれの技術が動いているのです。TRONの仕組みは、世界共通のルール(国際標準)のもとにもなっています。

インターネットの裏方「Fluentd」と、AIに影響を与えた「Chainer」

インターネットのサービスでは、「いつ、だれがアクセスしたか」「エラーは起きていないか」といった記録が、毎日たくさん生まれます。この記録を集めて届ける裏方の道具が「Fluentd(フルーエントディー)」です。アメリカの団体CNCFの発表によると、2011年に日本人の古橋貞之さんが作りました。

「Chainer(チェイナー)」は、日本の会社Preferred NetworksがAIを作るために開発した道具です。同社の発表によると、2015年に公開され、2019年には新しい機能の追加を終えました。けれど、そのアイデアは消えていません。今、世界で広く使われているAI開発の道具「PyTorch」の公式ブログでも、作るときのお手本のひとつがChainerだったと紹介されています。

今まさに広がっている「Hono」

「でも、それは昔の話でしょう?」と思った方もいるかもしれません。今、世界のWeb開発者から注目されている日本生まれの技術が「Hono(ホノ)」です。

Honoは、Webサイトやサービスを手早く作るための土台です。作った和田祐介さんがアメリカの会社Cloudflareのブログに書いた記事によると、作り始めたのは2021年の12月。きっかけは、「ほしい道具がない。それなら自分で作ってみよう」という思いでした。今ではCloudflare社自身も、自社のサービスの中でHonoを使っています。

世界で使われる技術も、最初はひとりのアイデアから

Ruby、TRON、Fluentd、Chainer、Hono。時代も使われる場所もばらばらですが、どれも「もっと便利にできないかな」という、ひとりの人のアイデアから始まりました。

プログラムの世界では、だれかが作ったものを公開すると、別の国の人が使い、直し、さらに別のサービスに組み込んでいきます。気がつけば、それが世界中で使われる技術になっていることもあります。

次の技術を作る人が、日本から出てきても不思議ではない

日本のIT産業に課題があるのは事実です。それでも「日本には何もない」と考えるのは、少しもったいないかもしれません。

子どもが作った小さなゲームや、初めて書いた数行のプログラム。大人から見れば小さな作品でも、そこでは「自分のアイデアを形にする」という、世界のエンジニアと同じことが起きています。次に世界で使われる技術を作る人が日本から出てきても、何も不思議ではないのです。

出典一覧

- Ruby公式サイト「Rubyとは」(1995年に一般公開、まつもとゆきひろ氏)
https://www.ruby-lang.org/ja/about/
- トロンフォーラム「TRONプロジェクト」(1984年発足、坂村健氏、IEEE 2050-2018とμT-Kernel 2.0)
https://www.tron.org/ja/tron-project/
- CNCF "Cloud Native Computing Foundation Announces Fluentd Graduation"(2019年4月11日。2011年に古橋貞之氏が開発)
https://www.cncf.io/announcements/2019/04/11/cncf-announces-fluentd-graduation/
- Preferred Networks「深層学習の研究開発基盤をPyTorchに移行」(2019年12月5日。2015年6月オープンソース化、v7でメンテナンスフェーズへ)
https://www.preferred.jp/ja/news/pr20191205/
- PyTorch Blog "PyTorch adds new tools and libraries, welcomes Preferred Networks to its community"(2019年11月)
https://pytorch.org/blog/pytorch-adds-new-tools-and-libraries-welcomes-preferred-networks-to-its-community/
- Cloudflare Blog "The story of web framework Hono, from the creator of Hono"(Yusuke Wada、2024年10月17日)
https://blog.cloudflare.com/the-story-of-web-framework-hono-from-the-creator-of-hono/

コラム一覧へ戻る 無料体験のご予約
無料体験申込 教室を探す