全国学力調査の英語が全面CBTに。画面で答える力はどこで育つのか
2026年度の全国学力・学習状況調査では、中学校英語の4技能すべてがコンピュータで実施されました。紙から画面へ、学力の測り方が静かに変わりつつあります。何が変わり、家庭では何ができるのか。プログラミング学習とのつながりも含めて整理します。
今年の全国学力調査は、中学校英語が「画面」で行われました
毎年4月に行われる全国学力・学習状況調査。お子さんが小学6年生か中学3年生なら、今年も受けてきたはずです。
その今年度の調査では、これまでと違うことが起きていました。中学校の英語が、紙の冊子ではなくコンピュータで実施されたのです。
文部科学省の資料「令和8年度全国学力・学習状況調査の結果等について」では、中学校英語と生徒質問調査は「文部科学省CBTシステム(MEXCBT)によるオンライン方式(CBT:Computer Based Testing)で実施」されたと記されています。
CBTとは、コンピュータを使って受ける試験のことです。「聞くこと」「読むこと」「書くこと」は4月20日から23日に、「話すこと」は4月24日から5月29日までの期間に行われました(文部科学省「令和8年度の調査実施」)。
家庭で話題になることは少ないかもしれません。けれど、全国80万人規模の調査が画面の上で動いたことは、これからの「学力の測り方」を考えるうえで小さくない出来事です。
紙から画面へ。測られ方が変わると、必要な力も少し変わります
紙の試験と画面の試験は、問われている中身が同じでも、解くときの体験がずいぶん違います。
紙なら、問題全体を一度に見渡せます。余白に線を引き、思いついたことを書きつけ、消しゴムで直す。手が考えを助けてくれる部分が、確かにあります。
画面では、そのやり方がそのままは使えません。スクロールして前の問題に戻り、入力欄に文字を打ち込み、音声を聞いて自分の声を録音する。内容を考える力と、それを画面上で形にする力が、同時に求められるということです。
画面に慣れていないこと自体が悪いわけではありません。ただ、経験の量に差があると、内容の理解とは関係のないところで結果に表れてしまう可能性はあります。日ごろから画面の上で考えを組み立てる経験があるかどうかが、少しずつ効いてくると考えられます。
「機器があると楽しい」の、その先にあるもの
同じ調査の質問項目からは、子どもたちがICT機器を前向きに受け止めている様子も見えてきます。文部科学省の整理によると、約9割の児童生徒が、ICT機器を活用することで「楽しみながら学習を進めることができる」「友達と協力しながら学習を進めることができる」と考えていると報告されています(前掲・教育委員会月報2026年9月号)。
1人1台端末が行き渡って数年、子どもたちにとって画面は特別なものではなくなりました。とても良い変化だと思います。
ただ、「楽しく使えている」ことと「使いこなせている」ことは、必ずしも同じではありません。動画を見る、調べる、配られた課題に答える。受け取る側の使い方に慣れていても、自分の考えを画面の上で組み立てて外に出す経験は、また別の慣れを必要とします。
毎日使っているのに、仕組みはまだ習っていない
もうひとつ、国の側でも課題として挙がっていることがあります。
文部科学省が2026年8月に示した資料では、現在の学習指導要領について、「小学校ではコンピュータやネットワークの仕組みの理解が扱われていない」「中学校でもコンピュータやネットワークの仕組みの理解やデータ活用が十分に扱われていない」と整理されています(文部科学省「情報活用能力の抜本的向上について」令和8年8月18日)。
毎日端末を使っているのに、その中で何が起きているかは、まだカリキュラムの中心には置かれてこなかった、ということです。
この状況は、これから変わります。2026年8月31日の中央教育審議会の部会に示された次期学習指導要領の審議まとめ(素案)では、情報活用能力が「学習の基盤となる資質・能力」として位置づけられ、小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域」を置くこと、中学校に「情報・技術科」を新設することなどが示されています(中央教育審議会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(素案)」令和8年8月31日)。
同じ8月の資料には、2040年ごろの社会を見すえると、AI・ロボット等の活用を担う労働者が約339万人不足するという推計も示されています。制度が動く背景には、こうした長い時間軸の見通しがあります。
画面で考えを組み立てる経験は、どこで育つのでしょうか
とはいえ、制度が整うのはこれからです。小学校の「情報の領域」も中学校の新しい教科も、教室に届くまでには時間がかかります。
そして学校が担うのは、基本的に「全員が共通して身につけるべきこと」です。土台としてはとても大切ですが、そこから先の「自分で何かをつくってみる」経験までは、授業時間の中ではなかなか届きません。
画面の上で考えを組み立てる力は、テスト対策で身につくものではないと考えられます。自分がつくりたいものがあって、それを画面の上で形にしようとした時間の合計が、その人の画面上での思考の速さになっていく。そう考えると、早い時期から手を動かす場があることの意味は小さくありません。だからこそSwimmyは、子どもが「つくる側」に回る時間を学びの中心に置いています。
Swimmyが大切にしているのは「作る・試す・発表する」
Swimmyは「CS for ALL(すべての子どもにコンピュータサイエンスを)」を掲げる、IoT×AIプログラミング専門スクールです。
レッスンは「作る・試す・発表する」の繰り返しでできています。つくって、動かして、うまくいかないところを直し、最後に人に見せて説明する。この一周が、そのまま画面の上で考えを組み立てる練習になっています。
大切にしているのはTrial&Error、試行錯誤です。メンターは、子どもが詰まってもすぐには答えを教えません。「どこまで動いた?」「次に何を試せそう?」と問いかけ、子ども自身が原因にたどり着くのを待ちます。
遠回りに見えるかもしれません。けれど、自分で見つけた答えは忘れにくく、次の場面でも使えます。人に説明する時間があることで、「わかっているつもり」が「言葉にできる理解」に変わっていきやすくなります。
遊びから実践まで、段階で積み上げるカリキュラム
Swimmyのカリキュラムは、子どもの発達と興味に合わせて3つの段階に分かれています。
ベーシックコースでは、MESHやScratch、Springin'、micro:bitを使い、ブロックを組み合わせる感覚で「動くものをつくる」体験から始めます。センサーで明るさを測る、音に反応させる。手ざわりのあるところから入るので、低学年でも無理がありません。
エキスパートコースでは、Minecraft × Pythonへ進みます。好きなゲームの世界を、自分で書いたコードで動かす段階です。ブロックから文字のコードへ移るときのつまずきを、「遊びたい」という気持ちが越えさせてくれます。
実践コースでは、PythonによるAI・データ分析、UnityとC#によるゲーム開発、HTML・CSS・JavaScriptによるWeb制作へと広がります。扱っているのは大人の現場と同じ道具です。遊びの延長で始めたことが、進路の選択肢につながっていく設計になっています。
画面の向こう側へ、手を伸ばす
学力調査が画面に移ったことは、それ自体が大事件というより、これから起きることの前触れのように見えます。テストも、学びも、仕事も、少しずつ画面の上へ移っていきます。
その流れに不安を感じる必要はないと思います。必要なのは、画面を「受け取る場所」から「自分で何かをつくる場所」へと捉えなおす経験です。そしてそれは、好きなゲームをちょっと改造してみる、といった小さなところから始められます。
Swimmyでは無料体験レッスンを行っています。お子さんが画面の向こう側へ手を伸ばす瞬間を、一度見にいらしてください。